私は昔から、ネット通販には並々ならぬお世話になっています。
田舎育ちの方なら分かっていただけると思うのですが、子供の頃、欲しいものは近所に売っていませんでした。
初めての「通販」は、姉と一緒に目を輝かせてカタログを眺めた『サン宝石』です。
近所では絶対に手に入らない「おもちゃの手錠」を買って警察ごっこをしものです。
田舎で特に困ったのが服で
大人になっても、近所にあるのは安さが売りのチェーン店か、スーパーの片隅にあるパッとしない洋服コーナーくらい。
だから、服を買う時はもっぱらネット通販でした。
今回は、そんな私が引き起こした「ネット通販の黒歴史」をお届けします。
私服通勤のプレッシャーと、田舎の洋服事情
就職した会社は「私服勤務OK」。
Tシャツにジーパンでも許されるゆるい職場でしたが、当時の私は年頃の女子(しかも新入社員)。それなりに可愛い服を着て出社したいという乙女心がありました。
しかし、前述の通り近所にはお店がありません。
私は夜な夜な、携帯の小さな画面をスクロールして「オフィスでも浮かない、ちょっと可愛い服」を探し回りました。
そこで見つけたのが、首回りにペイズリー柄のプリントが入ったチュニックでした。
ダボッとしたシルエットが可愛らしく、「これなら体型もカバーできるし、一枚でサマになる!」と意気揚々とポチりました。
届いたのは「可愛いペイズリー」ではなく…
数日後、待ちに待ったチュニックが到着。
ワクワクしながら袋を開け、プリント部分をまじまじと見つめた私は、完全にフリーズしました。
複雑な曲線を描くお洒落なペイズリー柄……に紛れて、無数の「スカル(髑髏)」がびっしりと描かれていたのです。
「えっ……ウソでしょ?」
携帯の小さな商品写真では、髑髏の顔が潰れてただのペイズリーの模様に見えていたのです。
たまたまそれを見た母が、後ろから信じられないものを見るような声を出しました。
「……あんた、そんなの着るの?」
無理もありません。
当時の私は、黒髪でメガネをかけた、いかにも「地味な末娘」。
そんな娘がいきなり、パンクロッカー顔負けの髑髏まみれの服を買ったのですから、母の驚愕たるや計り知れません。
職場の先輩たちを驚愕させるわけにはいかない
もちろん、これを着て職場に行くのは不可能です。
想像してみてください。
いつも大人しい、黒髪でメガネをかけた、いかにも「地味な新人」が、ある日突然、首回りにドクロを大量に引き連れて「おはようございます!」と出社してくる姿を。
先輩たちも「あの子、ついに病んで…?」と、母以上に驚愕することでしょう。
当時はまだネット通販のシステムにも不慣れで、「返品する」という発想すら湧かず、手続きの手間も分からなかったので、チュニックはそっと部屋の片隅に放置されました。
チュニックの悲しい末路
そのまま一度も袖を通されることのなかったドクロチュニック。
ある日ふと見ると、飼い猫がその上に乗って、気持ちよさそうにスヤスヤとくつろいでいました。
ダボッとしたシルエットと生地の柔らかさが、猫のベッドとして最適だったようです。
結局、その服は私の体を包むことなく、猫の毛だらけのドクロ布と化し、いつの間にかひっそりと捨てられていきました。
とるまろまとめ
「実物が見られない通販は、小さな写真の雰囲気だけで決めず、ちゃんと説明文も隅々まで読まなきゃダメだ」
そう深く反省した、何年も前の苦い思い出です。
……まあ、いまだに通販で失敗し続けているんですけどね!



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